2014年、沖縄の石垣島でオールスイートプライベートリゾート JUSANDI(ユサンディ)が誕生しました。
2012年から始まったこのブランディングプロジェクトは、BOELにとってはじめてブランド構築だったこと、そしてブランドは心で作られるというその在り方を私たちに教えてくれたメモリアルなプロジェクトです。
JUSANDIは沖縄県の石垣島に広がる亜熱帯のジャングルに設えられたリゾート・ヴィラです。JUSANDIのオーナーである籾山氏は多彩な才能の持ち主でした。世界に点在する数々のプライベートリゾートに感銘を受け、最高のロケーションが存在するアジア有数のリゾートエリア石垣島で実現したいという思いをかたちにすることがゴールでした。私たちはすぐにチームを結成し、現地でのツアーを実施しリサーチを進めました。奇跡の大自然、八重山地方の文化伝統、そして日本が持つ独自の繊細なホスピタリティ。どれをとっても世界に負けないポテンシャル、魅力がありました。そして現地で見て聞いて感じた石垣島から、これまでにないブランドコンセプト、VI(ビジュアルアイデンティティ)、そして世界中からJUSANDIへ送客するための施策を導き出したのです。
当時の沖縄県石垣島は日本有数のリゾートエリアとして人気があるものの、バブルの時代に一世を風靡したリゾート施設は沖縄本島と比べ落ち着いた様子でした。石垣島には、リゾートホテル、ビジネスホテル、簡易宿泊施設などさまざまなタイプの宿泊施設がありましたが、どれも代表が経験した世界のリゾートのイメージとは違うものでした。大きなポテンシャルを持っているにもかかわらず、未だ知られていないリゾートの魅力を届ける必要がありました。そしてそのためには、組織やサービスだけでなく石垣島自体のブランディングが必要でした。
代表の籾山氏が世界で経験した数々のリゾートは、美しい景観、美食、ホスピタリティサービスはもちろん、ユニークなロケーションなど、当時の日本のリゾートの常識では語れないものでした。代表が発信するビジョンを聞き、知見を深める中で、この石垣島が持つビジネスの可能性を引き出すためには、世界中から石垣島へ、そしてJUSANDIへの人々を惹きつけ魅了するビジョンのブランディングが必要でした。日常から解放され、豊かな大自然の中で人間本来の感性を研ぎ澄ますことで、日々の暮らしにさらなる癒しと充足をもたらすこと。この「原点回帰」こそがブランド・アイデンティティの起点です。VI(ヴィジュアルアイデンティティ)の基になったのは、大自然の中でしか見ることができる形容しがたい琉球石灰岩の薄いグリーンとジャングルの深いグリーンのコントラストです。撮影は、施設やヴィラの撮影だけでなく、滞在して得られるアクティビティをひとつひとつ写真におさめるなど、一度の滞在でクルーが二週間以上時間を費やす程ていねいな素材作りを心がけました。
わたしたちは、石垣島自体のブランディングも展開します。
JUSANDIはプロジェクトが始まってから4年の歳月をかけ、グランドオープンを迎えることができました。大自然の中に身をおき、究極の寛ぎを提供するプライベートヴィラは「原点回帰」というかたちの新しい切り口を発信することが可能となりました。JUSANDIのグランドオープン後、大きなプロモーションは積極的にしませんでした。しかし、コンセプトに共感するゲストやファンからの発信によって、次第に認知度を上げ、世界へと発信されていったのです。わたしたちにとって全てが初めて尽くしだったブランディング・プロジェクトは新しい発想を得ることができる貴重な経験となったのです。
RGB / 151 165 168
CMYK / 10 2 0 34
HEX #97A5A8
RGB / 60 97 96
CMYK / 81 58 61 11
HEX #3C6160
RGB / 50 69 72
CMYK / 83 68 66 30
HEX #324548
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