みなさん、年賀状の準備は進んでいますか?他とはちょっと差のでるオリジナルの年賀状にするために、今年は「紙」の印象も考えるというのはいかがでしょうか?今回は「2016年の年賀状に使いたい紙、10選をご紹介します。
DESIGNER
M.N.
来年は2016年、干支は申(さる)です!
「もう今年はLINEとかFacebookで送ればいいかなー」なんて、SNS時代の潮流にのって「あけおめ」の4文字とお正月っぽいスタンプで、カンタンにすませたい。
そんなかたも多いのではないでしょうか。
でもやはり、一年の計は元旦にあり。心のこもった挨拶状がポストにとどくからこそ、相手の心にひびくものがある。
たった1枚のハガキで、年始のコミュニケーションが円滑にスタートするなら、こんなコスパの高いうれしいツールはありません!
紙には、いろいろな手触りなものがたくさんあります。ツルツル、ザラザラ、しっとり、ふんわり…など。
手触りの他にも、重さ、色合い、輝きなど紙独自の個性があり、既製年賀ハガキの束に混ざったとしても、その存在感がきわだつことは間違いありません。
紙選びの視点から、「もらって嬉しい年賀状」づくりを、アプローチしていきます。
今回ご紹介する紙は、正式にはファインペーパーと呼ばれるもので、家庭用プリンタ(インクジェット/レーザー)での印刷に向かないものも多くあります。
なぜかというと、風合いを重視した紙はわざと表面加工をラフにしているため、凹凸があったりインクが染み込みやすかったりと、「にじみ」や「かすれ」が起きる場合があります。
店頭で購入する際は、商品パッケージの裏などに記載された「印刷適性」を確認してみてください。
プリンタ適性に対応した製品も出ている場合がありますので、諦めずに一度メーカーに問い合わせてみましょう。
印刷適性のない紙に、印刷をしたい場合は、以下の対応をオススメしております。
宛名面… 宛名ラベルに住所を印刷して、貼りつける。
表面… 希望の用紙の取り扱いがある印刷会社さんに、印刷を依頼する。
BOEL Inc.の絶対的エース!アラベールの登場です。けして派手さはありませんが、 バランスの良いファインペーパーです。
繊細で優しい質感と、非塗工のため同じく我がエースの「ヴァンヌーボ」より 若干のラフさもあり、和の雰囲気をそこはかとなく感じさせることができます。
写真は「スノーホワイト」ですが、少し黄みのある「ホワイト」にするとさらに印象が柔らかくなり、選ぶ際に悩むところです。
敷居の高過ぎない上品さと、優しいたたずまいが魅力です。
エアリーな質感ながらしっかりと硬めの仕上がりで、ハガキの用途にはオススメです。
パッケージ用紙として位置付けられているので、エンボスや折り加工などの、 加工適性も優れていそうです。
表面仕上げも塗工・非塗工、風合いもディープラフ・ミディアムラフ・ライトラフの3パターンと、 豊富にバリエーションが用意されています。
紙の風合いが強く感じられる非塗工のディープラフがオススメです。
人魚のさざ波という、たいへんロマンチックな由来を持つマーメイド。
表面に穏やかな波模様を思わせる凹凸模様が広がります。
キャンパスのキャンソン紙にも似ている気がします。
デザイナーの原弘氏が開発から携わり、1960年代から一般に普及したことで、 包容力のある優雅なたたずまいは装丁など広い用途で使われています。
そんな伝統ある用紙と、伝統的な年賀状の相性が悪いわけがありません。
今回セレクトした中では、もっともゴワゴワ感のあるファインペーパー。
ランダムなうねりと高低差があり、厚手の手漉き和紙のような力強さがあります。
強い意志を感じさせるこの用紙では、中央に日の丸だけを描くだけ!など武士のようにいさぎよい年賀状はいかがでしょうか。
伝統的な和風のパターンが敷き詰められたファインペーパーです。
刺し子というのは、弱くなった薄い布を何層にも重ねて、刺繍で繋ぎあわせ 強い布へ生まれ変わらせる、生活の知恵です。
また、そのエシカルな精神や刺繍自体の芸術性の高さからも、注目が集まっています。
もともとの価値を技術により向上させる、古くなったものを大切に使う、 弱い素材でも重なることで強くなれる。
近いコンセプトを持つお店や個人の方に、今年の抱負と合わせて使っていただくのも良さそうです。
また、色を重ねて、動物の毛並みに見せることもできそうです。
みんな大好きキラキラ系!の代表格、ペルーラです。
語源は真珠を意味するスペイン語の「Perla」からきています。
質感は少しザラザラしていて、密度がつまったように硬く、kgに対してやや薄いため、 鉱物のようなクールな印象があります。
薄いとはいえ硬さやハリ感がありますので、ハガキ用途には180kgで十分と思われます。
耐水性も高いため、水がついてもすぐ拭けば問題ないです。(個人の感想です)
パール系は大体そうですが、印刷面は乾きづらいので、 よく乾燥をかけてから裏面を印刷するようにしてください。
エッグシェル、ラスターなど表面加工に違いのあるバリエーションも登場してきています。
全体的にマットで上品な印象のパール感。
ペルーラの粒子感のあるキラキラとは異なり、真珠の表面に似たスムースな光沢です。
紙見本が古いため記載が違いますが、写真はゴールドに分類され、新しくシルバーが登場しています。
光があたるとゴールド(シルバー)の光を放ちます。
また、裏面の質感が異なるという特徴があります。
裏面は光沢がなく、上質紙のようなサラッとした手触りになっています。
裏表で印象に差をつけたい場合にオススメです。
まだまだ続くキラキラ系!
こちらは名前の通り星空をイメージした輝きを放つエレガントな印象の紙です。
豊富なカラーバリエーションがあるため、選ぶ楽しみが広がります。
ブラックやネイビーは本当に星空のようです。
セレクトしたのはアンティークゴールドという色です。
年代や性別を超えて愛されるシックなゴールドが祝祭ムードを高め、 さらに干支の申(さる)の毛の色とも関連づけられそうなことから、 工夫しだいで面白い年賀状となりそうな気がします。
驚くほどしっとりしたマットな手触りが印象的なファインペーパー。
BOEL Inc.の名刺もこのプライクの白を使っていますが、独特の手触りに驚かれるかたも多いです。
特殊なコーティングにより印刷適性は低いですが、ここはふんぱつして箔押しで 今年の抱負を小さく刻むのはいかがでしょう。
色は目にも鮮やかなオレンジを選んで、晴れやかな新年をお祝いしましょう。
段ボールの表面に使われる紙を原紙として作られたファインペーパーです。
クラフト紙といえば、ザラザラの表面でカジュアルな用途に限定されがちですが、 こちらはスムースで凛とした風合いのためか、高級感さえ感じられます。
あえて単色カラーで申(さる)のイラストを印刷して、 ちょっとノスタルジックな年賀状にしてみてはいかがでしょう?
私製はがきでも、「お年玉付年賀郵便切手」を使えばお年玉付年賀はがきと同様、 くじ付きのワクワク感をおとどけすることができます。
特殊切手「平成27年用年賀郵便切手」の発行 – 日本郵便
ただし切手の場合、3円の寄付金がプラスされ、1枚当たり55円となるようです。
紙の厚さの目安として、kgという単位を使います。
「180kg」はハガキや名刺でよく使われる厚みですので、160kg〜200kgあたりを選択したいところです。135kgは厚めのチラシ、90kgはプリンタ用紙のイメージですので、薄すぎてハガキには向いていません。
空気が多く含まれた紙・原料が軽い紙などは同じ重さでも厚くなるため、厳密には、同じkg数の紙 = 同じ厚さにはなりません。
2015年は未(ひつじ)年にちなんで「羊毛紙」をセレクトしました。
紙に50%も羊毛が混ざっていて、ふんわり、かつ、しっかりとした量感の紙です。
それに贅沢に全面にエンボス加工をして、セーターの網目模様を表現しています。
2015年の羊年に実は竹尾「あの紙、この紙」でも紹介していただきました!
株式会社BOEL 年賀状 羊毛紙|あの紙、この紙|竹尾のウェブストア
※2015.2.9の日付までスクロールするとみられます。
あの紙、この紙。 用途をおしえていただきました│約9,000種類の紙が買える竹尾のウェブストア
今年6月、銀座・伊東屋新本店7Fに「竹尾見本帖 at Itoya」がオープンしています。
「竹尾見本帖 at Itoya」
新しい見本帖が銀座にできました。─竹尾見本帖 at Itoya
紙の専門商社である竹尾が手がけるお店なので、間違いありません!
店内にグラデーションでディスプレイされている正方形の紙見本サンプルは、おもわず持ち帰りたくなってしまいます。いろいろ迷ってしまったら、 ペーパーコンシェルジュにイメージを相談しながら購入できます。
竹尾が扱う用紙は9,000種類以上あるようですが、 その中でもセレクトされた1,000種類以上の用紙を取り扱っています。
購入できるサイズは四六判4切サイズ(545×394mm)が中心となります。
官製はがきサイズ(100×148mm)にするためには自宅でカット、 または取り寄せという形でオーダーとなります。
ポストカードサイズ(105×150mm)の取り扱いはあるそうです。
※ポストカードサイズは官製はがきより少し大きめですが、52円切手で郵送できます。
既製品として購入しやすいものもあります。
「彩現シリーズ」という官製はがきサイズと、 「ペーパーパレット」というポストカードサイズが販売されています。
種類は限定されますが、手っ取り早く入手することができそうです。
「その他にも、東急ハンズ、世界堂、伊東屋の文具コーナーなどでも 種類はかぎられますが、取り扱っていたと思います。」
いかがでしたか?
紙をきっかけに想像をふくらませるのも、なかなか楽しいと思いませんか?年賀状を出す習慣がなくなっていたけど、もう一度始めようかな?と思っていただけたら光栄です!
今日もあなたに気づきと発見がありますように
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